東京電力福島第2原発の全4基が廃炉となった。福島県が廃炉を求めていたことから既定の方向だったが、正式に決まった。

 東電とすれば無念の思いが強いはずだ。8年前の東日本大震災で同原発は津波で浸水して冷却機能を喪失したが、社員の懸命の努力によって外部電源を使い、重大事故の発生は免れたからだ。

 しかし、再稼働の可能性は福島第1原発が招いた惨禍によって閉ざされた。既存原発がある地域周辺への集中立地の結果が、このような形で表れた。

 今後作業に入る廃炉関連費用は4千億円超を見込む。完了まで40年以上かかる見通しだが、場合によっては相当な期間を要するだろう。

 課題の一つに廃炉作業に関わる人手の確保がある。東電は第1原発の6基の廃炉も抱え、要員は膨大になる。

 また、他の原発でも新規制基準導入後に11基の廃炉が決定。国内計21基は、福島事故時に稼働していた54基の約4割に当たる。廃炉のための人材の奪い合いになろう。

 廃炉に当たっては、解体作業だけでなく、使用済み燃料や放射性廃棄物の保管や処分の問題が待ち受ける。

 もともと原子力の核燃料サイクル構想では、使用済み燃料を青森県の施設で再処理し、取り出したプルトニウムを高速増殖炉で効率よく利用するはずだった。

 しかし増殖炉の原型炉はほとんど稼働しないまま廃炉になり、サイクル構想は事実上破綻。再処理工場の操業開始は延び延びになっている。

 廃炉原発に残る使用済み燃料は当面行き場がない。どうするか。第2原発では、金属容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」の施設を敷地内に新設する方針。約1万体を保管する見込みだ。

 東電は廃炉終了までに県外搬出することを明言しているが、地元では保管長期化の懸念が消えない。今後の具体的対策が求められる。

 廃炉に伴い立地自治体への原発関連交付金は減少する。地元からは廃炉を歓迎する声が上がる一方、これまでの経済的な恩恵が少なくなることに不安も聞かれる。

 新たな産業の創造が待望され、国としての支援が欠かせない。

 残る商業用原発は、建設中の3基を含めて36基。現在再稼働中や再稼働の準備、検討をしているものを含め、いずれは廃炉となる。

 それに要する巨額費用の捻出と人員確保、さらに立地自治体のその後の振興策を考えなければならなくなる。

 本格的な廃炉の時代。課題は山積しており、道行きは険しい。後処理を含む原子力政策構築が問われる。