「銀ブラ」の語源には諸説ある。最も一般的に受け入れられている意味は、銀座をぶらぶら歩くことだろう。と思っていたら、都内の地下鉄駅構内で別の見方を記した看板が目に飛び込んだ

▼その看板には「銀ブラ」とは、銀座でブラジルコーヒーを飲むこと、とあった。調べてみると、大正時代、慶応の学生らが広めたのが語源とされ、この説にあやかり「銀ブラ証明書」を発行するコーヒー店もあるとか

▼「今さら知ったの?」と思われる読者の方もいると思うが、浅学を承知の上で論を続ければ、答えは何かと調べる手間が好奇心をくすぐる。ちなみに広辞苑を引くと「繁華街の銀座をぶらぶらと散歩すること」とある

▼正解はどうあれ、看板の結びの文句は「知ったから役立つ情報ではないが、知れば少しは楽しいかも」。一人のサラリーマンのつぶやきが耳に入った。「知っていれば楽しいかもか…」

▼働き方改革で効率化が強調される今日、無駄なことは省き、最短距離を走る人生観が幅をきかせている。それはそれで否定しないが、無駄と遠回りは人が人らしく生き、人生に奥行きをもたらす価値もあろう

▼重い障害がある2人の参院議員が誕生した。効率とは無縁の人生航路に違いない。数は力。最短距離をひた走る近年の国会にあって、どんな発言が聞かれるか。耳を澄ましたい。