夏休みなど長期休業明けに児童生徒の自殺が増加する傾向があるという。どうすれば、悩みを抱える子どもを受け止めることができるのか。岩手大教育学部の山本奨(すすむ)教授(59)=学校臨床心理学=に聞いた。

 内閣府の2015年版自殺対策白書によると、過去約40年間のデータを集計した18歳以下の日別自殺者数は、夏休み明けの9月1日が最も多く、春休みや5月の連休後も増える傾向にある。

 子どもの変化について、山本教授は「無理に観察しなくても発する言動でわかる」と説く。知っておきたい子どもの言動の特徴に「自分の本心を閉じ込め、願望を否定的に表現する」ことを挙げる。

 「学校に行かない」と言ったり、「ドアを蹴る」などの行動は子どもからのSOS。言動に至るほどの悩みやイライラを抱えている状態だ。「死にたい」の言葉は「生きたい」というシグナル。「うるさい」と拒絶したり、何も言わずに部屋に閉じこもってしまう場合でも「助けて」の言葉と同じ。否定的な言動を発することで、悩みを分かってほしいのに素直に話せる存在ではないと訴えており、話をして楽になった実感があれば、心を開くようになるという。

 不登校の児童生徒が増えるのも、長期の休み明け後という学校現場の声もある。不登校への節目は、「休む」と言った初日の対応。「休む理由を二日続けてあいまいにしないことが重要」と山本教授。

 そのためには▽親はすぐ学校に連絡▽学校は丁寧なやりとりの中から親への支援が必要な状況なのか見極める-ことが大切だという。