「端子がアンバランスだからバランスドでPAに送るためにはDIが…」うんぬんかんぬんと長男が言う。音響機器の関係で助言を請うたら、日本語が日本語に聞こえずちんぷんかんぷん

▼「ちんぷんかんぷん」は、一説に難解な漢語を多用する儒者をからかった言い回しとされる。江戸期に使われ始めたというから、鎖国の中でも異文化との接触が増え、慣れぬ表現が出回った世情が背景だろうか

▼翻って最近は、インターネットの普及に伴い時に「ちんぷんかんぷん」では済まない事態に直面する。仕事で日常的に関連機器に接しているのに、ひとたび不具合や設定替えがあると担当部門の説明が意味不明

▼懸命に耳をそばだてても頭に入ってこない。「もう少し分かりやすく説明してくれよ」と懇願するが、相手はこれ以上ないほどにかみ砕いて話しているのだろう。困ったような、哀れむような表情で当方を見る

▼機器の不具合なら、中身は不明なまでも相手方に従うのが解決の早道。これが国際関係の不具合となると、そうも行かない。国同士の信頼は外交努力の積み重ねだ。主張がぶつかる場面で、その深度が問われる

▼日本と韓国のあつれきは、両国関係が成熟していくプロセスとの見方がある。互いを「ちんぷんかんぷん」と責めるのも出口が見えてこそ。知恵を出し合う時だろう。