三陸鉄道(宮古市、中村一郎社長)は26日、1984年4月1日の開業からの累計利用者が5千万人を突破した。国鉄路線を引き継いだ全国初の第三セクター鉄道として運行を始め、赤字経営や東日本大震災など多くの困難を乗り越えてきた。開業当初を知る関係者や沿線住民は35年の歩みを振り返り、感慨もひとしお。3月からリアス線となった旧山田線沿線の住民もマイレール意識の醸成へ意欲を燃やしている。

 5千万人目となったのは午後1時45分に宮古駅に到着した乗客。宮古高3年の佐々木梓さん=山田町飯岡=と福士遙奈(はるな)さん=同町大沢=が同駅でセレモニーに臨み、中村社長とくす玉を割って大台到達を祝った。

 文化祭の振り替えの休みで、三鉄で宮古市に遊びに来た2人は「驚いた。記念の乗客になれてうれしい」とにっこり。通学で利用している佐々木さんは「朝早くから乗車でき、自分の足になっている」と感謝し、福士さんは「ラグビーワールドカップなどで多くの外国人や観光客に利用してもらいたい」と願った。

 三鉄は84年に南北リアス線を開業。震災で線路や駅舎などに甚大な被害を受けたが復活を果たした。復興の象徴でもある鉄路の節目。開業時から田野畑村の島越(しまのこし)駅で働き、97年から駅長を務める早野くみ子さん(64)は「(開業時は)初の鉄道に住民は歓喜した。震災に負けず、今後も三鉄を交流人口拡大の柱にしていきたい」と記念の日に思いを新たにした。