「#Thank You From KAMAISHI」は、三陸にとって特別なイベントが満載の2019年に、東日本大震災後の世界中からの支援に対する「ありがとう」を発信する活動。ラグビーワールドカップ(W杯)の釜石開催まで1カ月を切った。会場となる釜石市内の〝おもてなしムード〟は最高潮に。全国、そして世界から訪れる人々を温かく迎える準備を進める活動を紹介する。

市内全14校、生徒ら出演 ユーチューブなどで公開

笑顔で「サンキューフロムカマイシ」と声を出して手を振る釜石中生

 ラグビーW杯釜石開催に向けて、釜石市の全14小中学校の児童生徒による「かまいし絆会議」は8、9の両日、復興を応援してくれた世界中の人たちに感謝を伝える動画の撮影をスタートした。

 撮影は唐丹、大平、釜石、釜石東、甲子の5中学校が参加し、生徒約500人が出演。メーンとなる同会議が制作した震災復興への感謝の歌「ありがとうの手紙 #Thank You From KAMAISHI」を笑顔で歌う様子や釜石市の郷土芸能の虎舞を披露したり友人と元気に遊んだりする姿などを収めた。

カメラの前で大石虎舞を勇壮に舞う唐丹中生

 動画制作は同会議を結成した2017年に企画。昨年末に完成した「ありがとうの手紙」に乗せて〝私たちの今の元気な姿〟を伝えようと、各校から撮影内容の意見を集め同会議で共有してきた。

 釜石中では、復興支援で贈られた部活動のユニホームを着用し、同校で大漁旗を振りながら「ありがとうの手紙」を熱唱。唐丹中生は唐丹漁港で伝統の大石虎舞、大平中生は同校校庭で釜石大観音をバックにソーラン演舞を力強く披露した。釜石中3年の小沢大地さんは「動画を見た支援者が『釜石を応援してよかった』と思ってもらえるようにアイデアを出し合った。感謝を表した笑顔を見てほしい」と呼び掛ける。

 小学校の撮影は28、29日に予定され、9小学校の代表児童が釜石で試合するフィジーの母語など9カ国語の「ありがとう」とオリジナルのイラストを描いた横断幕を持って登場する。

 動画制作の監督を務め、撮影も行った盛岡市の映像制作会社「ベアーズ企画製作室」の下山和也社長は「感謝の気持ちを伝えようとしっかり準備してきたことが伝わった。映像の全てが子どもたちの感謝の思いにつながる」と目を細めた。

 動画は、9月中旬に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、世界へ感謝の気持ちを届ける。

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工業製品、手作り品でも盛り上げ

着物からティッシュケース 徳増さん(釜石)が1万個超

「かまいし」のタグを付けたポケットティッシュケースを作り続けている徳増初子さん

 釜石市鵜住居町の徳増初子さん(68)は、同市鈴子町のシープラザ釜石2階のラグビーカフェ釜石で、ラグビーW杯で同市を訪れた観光客をもてなそうと、毎日のようにポケットティッシュケースを作り続けている。

 着物などをリユースし、「かまいし」のタグを付ける。3年前、東日本大震災で受けた支援に「恩返ししたい」と、ラグビーW杯釜石開催に向けて製作を始めた。

 活動を知った友人が協力してくれたほか、全国から手作りのケースが届くようになり、既に1万個を超えている。「ティッシュケース作りがボランティアになるなんて、と驚いて送ってくれる人も多い」と協力を喜ぶ。

 次の課題は、ケースの中に入れるポケットティッシュの確保。来る本番に向け、きょうも小型ミシンとアイロンを持ち込み、せっせと作り続けている。

コバリオン使い、記念ピンバッチ 釜石のエイワ

ラグビーボールの形をしたピンバッチ。スライドするとヒスイ製の勾玉が現れる

 釜石市平田の製造業エイワ(佐々木強社長)は、ラグビーボールの形をしたピンバッチを販売中だ。

 同社が製造する高付加価値コバルト合金コバリオンを使用。縦14・5ミリ、横28ミリの楕円形で、ヒスイ製勾玉がスライドして現れる細工を施した。ラグビーW杯釜石開催を記念し、昨年釜石市と友好都市の富山県朝日町(ヒスイ産地)が連携し、製作した。

 コバリオンは傷が付きにくくさびないのが特長で、ヒスイは災いから身を守るとの言い伝えがある。またコバリオンはニッケル含有を極力抑えており、金属アレルギーが出にくい合金として、注目されている。同社の佐々木雄大常務は「釜石の良さを多くの人に知ってもらうきっかけになればいい」と期待する。

 バッジは「LEAD IN RUGBY」と「KAMAISHI☆ASAHI」の2種類。各1万5千円(税込み)。問い合わせはエイワ(0193・26・6880)へ。