島根県から先週末、大きな荷物が届いた。梨の写真がプリントされた段ボール箱。島根特産の梨が入っているのかなと思って開けたら、一つ一つきれいにラッピングされた小箱がぎっしり

▼小箱の中には、「ほんのきもち」と記された色とりどりの紙。送ってくれたのは、同県の自死遺族自助グループ「しまね分かち合いの会・虹」。胸がいっぱいになった

▼きっかけは5月、盛岡で開かれた自死遺族支援の集い。参加者一同で鶴を折り、本県の遺族と長らく交流のある同会に送ることになった。小箱入りの紙は、そのお礼という。早速、集いに参加した遺族らに届けた。「この紙で、また鶴を折らなくちゃ」

▼岩手の気持ちが島根へ、そして島根の気持ちが岩手へ。同封の手紙には折り鶴への感謝が記され、次のように結ばれていた。「雨上がりの虹の架け橋と折り鶴…つながりを今後ともよろしくお願いいたします」

▼自死対策は本県の重要課題。「この悲しみを、繰り返してほしくない」。遺族が少しずつ自らの体験を語り始めている。自死への偏見に苦しみ孤立していた遺族同士のつながりも、県境を越えて広がりつつある

▼知事選が始まった。遺族の切なる思いを受け止め、誰もが自死に追い込まれることのない地域づくりをどう進めるか。「命を守る政治」の実現へ、論戦を期待したい。