19回目の知事選がきょう22日、告示される。現職の達増拓也氏に、新人の及川敦氏が挑む。一騎打ちの激しい争いとなりそうだ。

 いずれも無所属だが、4選を目指す達増氏は立憲民主、国民民主、共産、社民各党の推薦を得た。及川氏は自民、公明両党の推薦に加え無所属系県議の政治団体いわて県民クラブが支援する。

 7月の参院選岩手選挙区に続き、与野党対決の構図となった。30日告示の県議選とも連動し、県政の「継続」「転換」を訴える選挙戦は熱を帯びるとみられる。

 達増、及川両氏は2度にわたり衆院1区で戦い、その後も及川氏は県議として達増県政への批判を強めてきた。2人の歩みをたどれば、宿命の対決と言える。

 4年前の前回は、県政史上初の無投票だった。8年ぶりの選挙戦は、岩手の現在と未来を考える良い機会だ。難局を託すに足る候補を見定め、1票を投じたい。

 選ばれた知事は任期中の2021年3月、東日本大震災から10年の節目を迎える。引き続き震災からの復興が県政の大きな柱になろう。

 道路や街造りは進んだが、今も仮設住宅にとどまり、暮らしの展望が見えない人がいる。生活の立て直しと心身のケアは長期的な視野で進めなければならない。

 産業の再生も積み残されている。補助金で再建した企業は、業績が戻らぬまま自己負担分の返済が始まった。存続が見込まれる復興庁と連携する県の役割は大きい。

 もう一つの大きな柱は、人口減への対応だ。国推計を見る限り、近い将来に岩手が直面する「縮小」は、すさまじいものがある。

 あと20年もたたず県人口は100万人を割り、その後数年で90万人を切る。しかも15~64歳の生産年齢人口は、今より30万人減る。

 生産年齢人口の激減は、働き手の不足と生産力の低下につながっていく。一方で高齢化は容赦なく進み、あと15年もすれば、県民の4人に1人は75歳以上になる。

 数字だけを見れば、岩手の未来を悲観せざるを得ない。が、その厳しい時代を県民は生きていく。縮小の中でも、縮こまらぬ岩手創りが求められるのでないか。

 例えば近く全通する復興道路網は、産業の強い武器になる。各分野で海外へ打って出る人、企業も増えるだろう。国際リニアコライダー(ILC)の実現は新しい地域づくりの起爆剤になり得る。

 難局では特に、リーダーの力量にかかる部分が大きい。縮こまることなく、岩手を持続・発展させていく。そのビジョンを示すことこそ、今知事選の大きなテーマだろう。