7月末にラグビーワールドカップ(W杯)前哨戦として釜石市鵜住居(うのすまい)町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われたパシフィック・ネーションズカップ(PNC)。初戦で日本がフィジーに勝利し、観客を熱狂させた。

 快晴の下、ワンプレーに地鳴りのような歓声が上がり、手旗が振られ、応援席が一体となった。震災直後、がれきだらけになった街がここまで立ち上がった地元住民の喜びはどれほどだろうと思いを巡らせた。

 日本代表は事前の盛岡合宿でも取材し、被災地でW杯が開かれる意義などを尋ねると、一様に選手の表情が引き締まった。「被災者に勇気、元気を与える」。新日鉄釜石の日本選手権7連覇の歴史や、震災後にボランティアに訪れた経験に触れ、言葉を選びながら語る選手が多かった。ラガーマンたちにとって「ラグビーのまち釜石」はやはり特別な場所なのだと実感した。その力強い言葉通り、フィジー戦当日の気持ちのこもった戦いぶりに、W杯本番への期待が高まった。

 W杯は1カ月後に開幕し、釜石のラグビー熱はいよいよ最高潮に達する。同市では2020年夏にも全国高校総合体育大会(インターハイ)のボクシング競技と、軟式野球の全国スポ少交流大会開催が決まっており、スポーツイヤーが続く。

 スポーツに打ち込む未来ある子どもたちに夢や目標を与えるW杯になることを願い、現場にいる喜びをかみしめながら報じたい。

(八重畑龍一)