奥州市の岩手ふるさと農協(後藤元夫会長)は本年度、金ケ崎町和光に肉用牛繁殖センターを初めて整備する。肥育農家から繁殖用の雌牛を預かって出産と初期育成を請け負う施設で、年間約80頭の子牛の供給を見込む。肥育農家は近年の価格高騰で牛の調達が難しくなり、奥州牛、前沢牛という地域のブランド牛も出荷頭数が減少傾向。肥育農家の経営改善を支援し、産地としての基盤強化を図る。

 センターは来年1月末の完成・利用開始を予定。肥育農家から親にする雌牛を預かって出産させ、9~10カ月育てた子牛を元の農家に戻す。ほかに搾乳のため、不妊の乳用牛の受精卵移植も行う。

 場所は同農協所有地で敷地面積約9千平方メートル。出産に使う繁殖牛舎、4カ月目ごろまでの子牛用の哺育牛舎、5カ月目以降の子牛用の育成牛舎を備える。収容能力は肉用牛の親牛が50頭、受精卵移植する乳用牛が36頭。総事業費は約2億7千万円で国と同市、同町の補助を受けた。

 繁殖作業の受託料は未定。同農協は子牛の平均市場価格の8割ほどで請け負い、肥育農家の負担減につなげたい考えだ。