奥州市は19日、市の医師養成奨学金制度を見直し、来年春入学分から、学生への貸付額を県内最高水準の最大3800万円まで引き上げる方針を示した。2007年度創設の同制度を活用して市内の病院に着任した奨学生はまだおらず、市は「地元枠」などの優遇措置も設けることで、着実な医師確保につなげたい考えだ。

 同制度は一定期間、市立病院などで勤務することで奨学金の返済を免除する仕組み。これまで貸し付けた13人中5人が家庭事情などを理由に勤務しないまま奨学金を返還していた。

 市は同日の市議会議員全員協議会で、さらに1人の奨学生が個人的な事情を理由に7月下旬、利息分を含めて数千万円の奨学金を返還したことを説明。この奨学生は小児科医で、来年春から現在休診中の市総合水沢病院小児科で勤務する予定だったという。

 市は今回の同制度見直しで、入学一時金や月額の貸付金を増額するほか、転居費用にも使える入学準備金(上限360万円)を創設する方針。同市と金ケ崎町の高校出身者らはさらに200万円増額する地元の優遇措置を取り、6年間の総額では国公立大入学者が最大2720万円(現行比560万円増)、私立大が最大3800万円(同1640万円増)となる。