先の参院選を経て、国会の風景は随分変わった。比例代表で一定以上の票を得て、政治資金規正法により政党と認められた「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」の躍進が象徴的だ。

 50%を割る歴史的な低投票率の中で自民、公明両党が堅調の一方、既成野党は総じて振るわなかった。その票の多くが「れいわ」などに流れたのは想像に難くない。

 勝敗を分けるとされた改選1人区を無所属で勝ち抜いた野党統一候補8人のうち、本県の横沢高徳氏ら2人が国民民主会派入り。他の6人は会派入りを見送ったり新会派を結成するなど、参院で数が多い立憲民主、国民両党のいずれとも距離を置いた。今後、両党間で活発化するだろう勧誘の綱引きが、共闘関係の先行きに影を落とす。

 安倍晋三首相は勝利宣言で憲法改正に関し「自民党案にとらわれない」と柔軟姿勢を示しつつ、議論を前に進める意向を強調している。憲法問題は野党共闘のアキレス腱(けん)。現政権での改憲に前向きな勢力が、改憲の国会発議に必要な3分の2議席に届かなかった選挙結果を受け、その確保へ野党側に食指を伸ばす展開も想定されよう。

 選挙から間を置かず、立民と国民、共産各党は次期衆院選を念頭に連携強化を申し合わせたが、その行方は見通せない。立民は今回、獲得議席を改選9から17へ倍増させたものの、比例代表は結成直後の2017年衆院選で得た約1108万票から約792万票に激減。選挙区でも目玉候補を相次ぎ落とした。

 国民、共産両党も、公認候補の当選は改選議席以下。国民の玉木雄一郎代表は、横沢氏らの会派入りで改選8議席維持の認識というが、党内の失望感は拭えそうにない。

 他党との協力関係を含め、既成野党が党勢の立て直しに頭を悩ませる状況で、脅威は「れいわ」が比例で獲得した約228万票に違いない。

 山本太郎代表は次期衆院選で、政権獲得へ候補100人を擁立すると豪語している。選挙戦では本県など各地で野党系候補の応援に立った。その主張は消費税廃止や原発の即時禁止など、自民党政治を真っ向から批判する「分かりやすさ」が特徴だ。

 有権者に、専ら目先の利益分配を訴える手法には「左派ポピュリズム」との批判もつきまとう。だが今回の実績に照らせば、既成野党による共闘関係の「分かりづらさ」の裏返しとも映る。

 今参院選の民意を真摯(しんし)に受け止めるなら、共闘の主導権を巡り「コップの中の争い」を続けている場合ではない。「れいわ」の台頭は、既成野党への批判票とも言えるのではないか。