追悼のつもりだった。いつの間にか熱中して見ていた。2000年代に大ヒットした京都アニメーションのテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」。自由奔放な主人公の言動に、目が離せない

▼「日本アニメの聖地」を狙った残虐な放火事件。死者35人は、16年7月に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた入所者殺傷事件で犠牲となった19人を超え、平成以降最悪の殺人事件となった

▼先週末、やまゆり園事件から3年を機に盛岡市で「対話の集い」(同実行委主催)が開かれた。今なお被告の心の闇の深さが見通せない中、新たに京アニ放火事件。なぜ、このような理不尽な事件が相次ぐのか

▼犠牲者への黙とうに続き、横浜市の岩室紳也医師が講演。震災後、陸前高田市の支援に尽力しているが、かつて自身がやまゆり園に往診し入所者と交流した経験がある

▼岩室医師は、二つの事件を「自分ごと」として捉え、考える視点を提唱。「急がば回れ。健康づくりも犯罪予防も共生社会づくりも、一人一人の居場所づくりから」。後半は参加者同士で語り合い、それぞれの感想をカードに記し、壁に貼って共有した

▼「人と人のつながりがないことで、人を人でなくしてしまう」「命も思いもつなぐもの」。カードの言葉を心に刻んだ。対話は生きる力を生む。排除は何も生まない。