体に約3キロの重りを装着し、1日に最低でも百回以上のスクワット。結果が悪ければ真っ先に叱られ、それでも明るく、元気にみんなを励まし続ける。野球の捕手とはつくづく過酷なポジションだと思う

▼近年、投手のケガ予防、健康管理に話題が集中しているが、夏の甲子園をテレビ観戦してふっと考えるのは捕手も投手同様、かなりの重労働だということだ

▼投球数と同じ分だけ立ったりしゃがんだり。打球が飛べば約3キロの防具を身にまとい、野手の後方へとカバーに走る。打たれれば真っ先に監督に叱られる。たまったもんじゃない、と愚痴の一つも言いたくなるだろう

▼それでも自らを鼓舞できるのはオレがチームを支えているという誇りと責任感だ。守備では1人だけ逆を向き、仲間とは別の視野で世界を見る。時には監督に異を唱える。怒られ役であり憎まれ役でもある

▼テレビでは分かりにくいが、わずか数秒間に、打者のしぐさや相手監督のサインを注視し、自軍投手の表情や守備の確認、審判の癖を考慮する。頭の中の複数回線が同時に作動しないといけない。それも全投球で

▼ゆえに「扇の要」の育成は時間がかかる。駄目だったら切り捨てる式の起用は通用しない。ただ、それもこれも健全な肉体があってこそ。投手複数制は定着してきたが、捕手の苦労にも心を配りたい。