喜多流第42回中尊寺薪能(たきぎのう)(中尊寺薪能の会主催)は14日、平泉町平泉の中尊寺白山神社能舞台で行われた。かがり火が闇夜を照らす舞台で「紅葉狩(もみじがり)」を上演し、県内外から訪れた約800人の観客を幽玄な世界に引き込んだ。

 父が同町出身の喜多流能楽師佐々木多門さんらが出演。佐々木さんは美女の姿で武将をうたげに誘い込み、武将を襲う鬼を熱演した。前半は美女役として優雅に舞い、鬼の姿に変わった後半は武将役と迫力ある立ち回りを披露した。

 人間国宝の野村万作さんと、東京五輪開閉会式の演出の総合統括を務める萬斎さんの親子は狂言「昆布売(こぶうり)」を演じた。太刀を手にした昆布売りが、大名を脅して昆布を売らせる様子に笑いが起こった。

 初めて能を鑑賞した宮古市宮町の公務員鈴木貴大さん(25)は「踊りや人物の掛け合いが舞台の雰囲気に合っていた」と見入った。