東日本大震災から8年5カ月が過ぎ、復興関連イベントの在り方が変わり始めている。7月末に釜石市鵜住居(うのすまい)町で開催されたラグビーの国際大会では、犠牲者への黙とうや復興支援への感謝を伝えるメッセージの披露などが行われず、大槌町の40代女性から「ラグビーワールドカップ(W杯)や東京五輪でも行わないのか」と特命記者係に問い掛けがあった。W杯や五輪は「復興」を掲げて誘致したイベントだが、被災地からも「もう復興を特別強調する必要はない」という声があり、対応が注目される。

 今秋のW杯の前哨戦として、同市の釜石鵜住居復興スタジアムで7月27日に行われたラグビーのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)日本対フィジー戦(日本ラグビー協会主催)では、黙とうなどは行われなかった。

 同協会は、選手入場や国歌斉唱など試合前のセレモニーをW杯本番を想定して行ったが、黙とうなどの実施は検討しなかった。同協会広報は「地元中学生の国歌斉唱や大漁と記した旗の配布などで被災地を尊重する気持ちを示した」と説明する。

 同市は震災被災地で唯一の会場で、W杯は市民にとって復興のシンボルだ。市ラグビーW杯2019推進本部事務局の正木隆司総括部長は「市にも黙とうがなく残念だったという市民からの指摘があり、その通りだと思った。本大会への課題としてW杯組織委に伝えている」と話す。

 W杯組織委はW杯のセレモニーの内容について「さまざまなパターンを検討中だ」とし、今月下旬にも決定する方針だ。