火山ガスの影響で栗駒山の登山ルートが一部変更された。「登れないのではないか」との風評被害で客足に影響が出ている。

 風評被害の一因は伝え方にあるのかもしれない。5月19日の山開きを前に影響を書いた。注意喚起の意味も込めて経過などをまとめたが「不安をあおり、どうしたいんだ」との関係者の声が胸に刺さった。

 「別の機会に迂回(うかい)路となる産沼(うぶぬま)コースの魅力を紹介しよう」と考えたが、一度世に出た記事が持つ力は大きい。危険と安全ともに訴える書き方に配慮が欠けたことを痛感した。

 今年、同コースからは2回登頂した。穏やかに流れる沢を越え、歩きごたえのある道を進むと産沼の水面が輝く。頂上付近で振り返ると尾根に深緑が広がり、秋には山が赤や黄に染まり紅葉の名所になる。

 「この魅力を伝えられただろうか」と汗を拭い歩を進める。「高山植物が豊富で決して難しい山じゃない。登山口には温泉もある」とNPO法人須川の自然を考える会の熊谷隆代表理事(60)。この声や魅力を伝え続ける必要がある。

 11日は山の日。客足を取り戻そうと観光関係者が日々努力を重ねている。事故防止へ危険性を周知しつつも産沼コースの魅力、何より「栗駒山は登れます」と訴えたい。

(松本千里)