全国高校野球選手権大会の代表校が出そろった。各地方大会は、順当に甲子園切符を手にした強豪校がある一方、春の選抜大会優勝校がコールド負けで早々と敗退するなど波乱も相次いだ。

 そんな地方大会で最も大きな関心を集め、なお議論を呼んでいるのが岩手大会決勝だ。「最速163キロ右腕」佐々木朗希投手の登板がないまま大船渡が大差で敗れた。

 登板回避の判断について監督は「故障を防ぐため」と説明した。佐々木投手は前日の準決勝で相手を完封、決勝で登板すれば連投となった。また、延長十二回まで200球近く投げた試合もあった。

 球界からは賛否の声が沸き上がっている。

 否定的な意見としては「甲子園を目指す戦いではありえない」「チームメートの無念も考えたい」などだ。かつての球児にそんな思いは強いのではないか。

 一方、賛成意見は「選手を守るための英断」「甲子園が全てではない」などだ。もしも故障すれば、選手生命に影響しかねない。

 ただ、最高の舞台である決勝があのような形で終わったのは残念だった。第1シードの本命として勝ち上がった花巻東と快速球投手との真っ向勝負に期待が膨らんだだけになおさらだ。

 しかし過去には、決勝に残っても疲労で力を出し切れなかったケースが少なくない。決勝を含めて、大会で選手の力が存分に発揮される環境を整え、ファンも納得できる解決の道はないのだろうか。

 前進は図られている。甲子園や地方大会では、延長十三回から早期決着を図る特別ルールが昨年導入された。

 球数制限も検討。日本高野連の有識者会議は、一定の日数の中での制限を答申する。だが、全国のみが対象で、1試合ごとの制限は見送った。

 まずできることとして浮かぶのは過密日程の改革。柱は休養日の増加だ。岩手大会では準々決勝と準決勝の間などに設定されたが、さらに決勝との間に1日以上の休養日を追加できないか。その場合、開幕日の繰り上げなどによって日程に余裕を持たせることが必要になる。

 米大リーグの菊池雄星投手は「連投になる日程になっていることを全体的に考えていかなきゃいけない」と話した。会場確保の苦労、宿泊などの経費増、授業への影響があるかもしれないが、日程改善の方策を探りたい。

 昨夏の決勝で金足農(秋田)の吉田輝星投手が疲労困憊(こんぱい)で途中降板したことが記憶に残る甲子園では、今大会から休養日を1日増やし、準決勝と決勝の間に設ける。コンディションの良い状態での対決は喜ばしい。