参院選は、選挙区と比例代表で計104人の女性が立候補した。候補者に対する女性の割合は28・1%で過去最高。男女の候補者数の均等化を促す「政治分野の男女共同参画推進法」が昨年成立して初の大型国政選挙となった。果たして各政党の「努力」は有権者にどう評価されるのか。

 女性候補の割合は、社民党71・4%(5人)、共産党55・0%(22人)、立憲民主党45・2%(19人)、国民民主党35・7%(10人)、日本維新の会31・8%(7人)となっており、野党の積極的な擁立が目立つ。

 与党は現職議員が多いこともあり、女性の割合は自民党14・6%(12人)、公明党8・3%(2人)。女性比率について問われた自民党総裁の安倍晋三首相は「比率を上げるべく努力していきたい」と述べるにとどまった。

 政府は女性活躍推進を金看板に、議員や管理職など指導的地位に占める女性割合を2020年までに30%にする目標を掲げている。それにもかかわらずだ。

 女性の政治参加の機運は徐々に盛り上がってきている。県内では先日行われた紫波町議選(定数18)で7人の女性議員が誕生した。

 一方、今回の参院選では全国の45選挙区のうち、岩手を含む13区で女性候補者がいない。いずれも1人区だ。組織票や知名度を優先し、男性に擁立が偏る傾向が指摘されている。

 しかし、待機児童問題や教育無償化など子育て支援が重要な論点の一つとなり、労働力不足などを背景に女性活躍が求められている昨今だ。なおさら、女性の声は欠かせない。身近な選挙区に選択肢がない状態は、有権者にとって不本意であるばかりか、利益の侵害につながりかねない。

 問われているのは「政治は男性のもの」という根強い意識だ。家事や育児・介護は女性が主に担うといった固定的な性別役割分担意識は、社会を厚く覆う。さまざまな男女格差の指標で、日本は世界に遅れを取っている状況だ。

 少子高齢化が進み、従来の価値観でものごとが成り立たない時代に差し掛かっている。コンビニ24時間営業に異論が出たり、パンプス強要はおかしいとの訴えに共感が広がる。「当たり前」とは違う声や視点が受け入れられる社会こそ多様性の表れだろう。

 そのためには、一定程度の受け皿が必要だ。候補者を男女同数にするよう義務付ける「パリテ法」や、一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を導入している国や地域もある。本気で男女共同参画を掲げるなら、政党の努力義務に任せるだけでは不十分ではないか。