友人・知人が「敵」に回るのは、どんな時か。ゲーテが幾つか例を挙げている。一つは嫉妬であるという。自分の方が友人よりも成功した場合、相手との仲が決定的に悪くなることがある

▼さらには、「とっくに清算している何らかの欠点」を相手が非難してくる時だ。しつこく言われれば、関係はおかしくなる。「思考方法が真向から食いちがい、意見が相違」する場合も、仲にひびが入りかねない

▼親交を深めたエッカーマンとの対話でゲーテが語っている(山下肇訳)。国と国の仲が決定的に悪くなるのも同じなのだろう。日本にとっては「とっくに清算している」問題を、韓国はしつこく非難するのだから

▼とはいえ、友好国を「敵」に回していいのだろうか。日本が輸出規制を強め、日韓関係は凍り付いた。「思考方法が真向から食いちがい、意見が相違」するからといって、ぐさりと相手の急所を突いていいものか

▼日本の「トランプ化」を米紙は皮肉ったという。友好国もお構いなしに貿易戦争を仕掛け、敵に回す。トランプ大統領流のやり方だが、それで米国は信頼と尊敬を失った

▼ゲーテは言う。木の葉を見ても同じ葉は2枚とない。人の考えも、2人がぴたり一致することなどあり得ない。その中で、自分は多くの友人や味方を得てきた-と。国と国も、そうあるべきなのだが。