県内の公立図書館が警察から任意捜査で利用者の情報を求められたら、提供するのか、拒否するのか―。岩手日報社の調査によると、今後照会依頼があった場合、県立図書館と全33市町村中22市町村の公立図書館が「提供しない」とした一方、北上、葛巻の2市町は「提供する」、花巻市など9市町村が「状況に応じて判断する」と回答した。全国的に提供する例が増加する中、憲法が保障する「内心の自由」を守ろうとする図書館側と捜査機関のせめぎ合いが続いている。

 盛岡市の県立図書館(小田島正明館長)は、個人情報保護条例や日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」などを根拠に、「提供しない」と回答。そもそも貸し出し履歴などを記録しないシステムとし、情報管理を徹底している。

 「提供しない」と回答した22市町村の公立図書館も、同宣言や同条例のほか、地方公務員法の守秘義務などを根拠に挙げた。大船渡市立図書館の金野優子館長は「どのような本を借りているかはその人の主義主張や心情を表すものであり、当事者に迷惑を掛けてしまうことはあってはならない」と説明する。

 一方、北上、葛巻の2市町は「提供する」方針。葛巻町は「捜査関係事項照会書など正式な手続きを経た場合は基本的に対応したい」とし、照会内容として貸し出し履歴を想定。住所や電話番号は未定とした。