全国的に手足口病が流行し、過去10年間で最多ペースとなっている。県内でも増加傾向にあり、盛岡など一部地区では警報値レベルを超えた。手洗いなどの予防対策の徹底が求められている。

 手足口病は、口の粘膜や手、足に水疱(すいほう)性の小さな発疹が現れる急性ウイルス感染症。4歳くらいまでの子どもを中心に夏季に流行する。

 国立感染症研究所のまとめでは2011年と15年に流行し、今年はそれを上回る勢いだ。全国約3千の小児科医療機関から7月14日までの1週間に報告された患者数は、1機関当たり12・64人。都道府県別で最も多いのは石川(28・52)で、福井(26・39)、福島(22・4)など。

 県内でも徐々に増え、15~21日までの1週間で、定点医療機関平均で3・88人。久慈(6・5)、盛岡市(6・29)、奥州(5・25)の3保健所管内では、警報値(定点当たり5人)を超えた。

 県環境保健研究センターによると例年、県内での発生は全国に比べて遅い傾向にあり、8月下旬にかけてピークを迎えるとみられる。

 せきやくしゃみなどのしぶきによる飛沫(ひまつ)感染、接触感染などによって感染し、潜伏期間は3~5日間。水疱や発熱症状は通常数日で治まるが、まれに髄膜炎や急性脳炎などの合併症を起こすケースも。

 同センターは「口の中の水疱が痛み、食べられなくなる患者もいる。脱水症状を防ぐためにも水分補給に気を配りたい。発熱やおう吐などがある場合、速やかに受診してほしい」と呼び掛ける。

 症状が治まっても原因ウイルスは2~4週間、便に排出され、保育施設などでは集団感染が懸念される。おむつ交換後の手洗いや消毒を徹底し、タオルなどの共用を避けることも大切だ。

 可能であれば患者に近づかないことも予防の基本。しかし看護する家族らへの感染が避けられないケースもある。

 1歳になったばかりの子どもの発疹と高熱が3日ほど続いた家庭では、軽快したと思ったら母親が発症。痛みで食べ物がのどを通らなくなった。その後、夫にもうつり、歩くたびに足裏にできた発疹が痛んだという。

 県内では梅雨寒から一転、猛暑が続いている。手足口病のほかヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)の三大夏風邪や、熱中症の懸念も高まっている。

 エアコンによる室温と外気温との差が、体に負担をかける。冷たい飲料の取り過ぎも思いの外、体を冷やしてしまいがち。例えば常温の飲み物を心掛け、シャワーだけでなく湯船につかる。栄養も休養もしっかり取る。自衛策を講じ、健やかな夏を過ごしたい。