大激戦となった参院選岩手選挙区から息つく間もなく、9月8日投票の知事・県議選を迎える。8月には盛岡市長選・市議選も行われ、県内は選挙シーズンが続く。

 参院選は与野党とも次の選挙に課題を残した。わずか1万5千票差の熱戦だったにもかかわらず、候補を支える政党の影は薄かった。

 自民党にとっては、27年ぶりの選挙区勝利を逃した痛手は大きい。復興相を務め豊富な政治経験があり、知名度も抜群だった平野達男氏の4選を野党に阻まれた。

 3年前の前回より野党候補との差は詰めたが、平野氏個人の実績が評価された面もあろう。かねて指摘される運動量の不足や日常活動の弱さが解消されていない。

 一方の野党は、共闘によりほぼ無名の新人・横沢高徳氏を当選させた。野党勢力全体の力は示したものの、個々の政党がどれほど県民の期待を集めたかどうか。

 横沢氏の陣営は国民民主党・小沢一郎衆院議員の後援会が母体となり、各党が支援した。前回ほど自民候補を引き離せなかった理由に、共闘の緩みも指摘される。

 国民と旧自由の合流を巡り、国民には離脱者が相次いだ。こうした離合集散も県民・有権者には分かりにくく、説明が欠かせない。

 8月22日告示の知事選は、再び与野党対決の構図となった。4選を目指す現職の達増拓也氏と元県議の新人・及川敦氏が立候補を表明し、一騎打ちとみられる。

 いずれも無所属での出馬だが、達増氏は立憲民主、国民、共産、社民の4野党推薦で臨む。及川氏は自民、公明の推薦に加えて、無所属系の政治団体いわて県民クラブの支援を受ける方向だ。

 結果的に無投票となった2015年の前回、達増氏は政党にこだわらず幅広く支援を求める「県民党」を掲げた。しかし自民、公明は乗らず、むしろ野党結集の象徴のような存在となっている。

 ただその際は、野党側に安全保障関連法案の成立阻止という旗印があった。今回は共闘の意味が県民に分かりやすく伝わるかどうかだ。

 及川氏を支える自民、公明は態勢立て直しが急務となる。参院選の県内比例票は、自民が35・5%で前回を上回った。与党への一定の信頼を示したとも言えるが、地方選につながるかが鍵だ。

 政党や政治団体は存在感を示せるか。地域に根付いているか。8月30日告示の県議選と併せ、それらが問われる選挙戦となろう。

 二大政党は遠のいたが、地方の政治でも政党がしっかりと機能し、政策を競い合うことが望ましい。それを再確認する選挙にしてもらいたい。