全国高校野球選手権岩手大会は花巻東が制し、初めて2年連続で甲子園切符を手にした。

 本県高校野球をけん引する花巻東。第1シードとして臨んだが初戦で苦戦を強いられた。しかし粘りと集中力でものにし、その後も試合巧者ぶりを発揮して勝ち上がった。

 2桁の背番号の選手が多く活躍したように層の厚さが強みだ。チーム内競争で実力を伸ばし合った選手たちが、見事に起用に応えた。

 甲子園で春準優勝、夏4強の実績を持ち、戦い方を知る同校。大舞台での活躍に期待したい。

 全国から大きな注目を浴び続けたのは大船渡の佐々木朗希投手だった。「最速163キロ右腕」は今大会でも160キロをマークするなど圧巻の投球を披露し、野球ファンを驚嘆させた。

 6回参考記録ながら無安打無得点を達成し、延長12回の熱投も。四番打者としても活躍し、チームを準優勝まで導いた。しかし、大船渡の躍進は1人によるものではない。全員野球の結実だ。

 そのことをまさに実証したのが準々決勝だった。前日194球の熱投を繰り広げた佐々木投手は出場せず。試合は終盤に追いつかれ、サヨナラ負けのピンチも招いた。それでも、しのいで連日の延長戦をものにしたチームの結束力は見事だった。

 休養をしっかり取ったことが、準決勝の好投につながった。だが、決勝戦で出場しなかったことは驚きをもって受け止められた。登板すれば連投になるとはいえ、あと一歩で甲子園だ。監督は「投げられる状態であったかもしれないが、私が判断した。理由としては故障を防ぐこと」と試合後に語った。

 高校野球では連投などによる投手の肩、肘の負担が指摘されている。佐々木投手は将来の球界を背負う可能性を秘める選手だ。監督は佐々木投手の無念も受け止めつつ覚悟を決めたのだろう。

 いろいろな意見はあろう。あるいは今回の出来事が、試合日程の在り方に一石を投じることになるかもしれない。

 今大会は大船渡を含めて4強中3校を公立勢が占めた。一関工、黒沢尻工ともシードの私立校を撃破しての進出だった。私立と公立のさらなる切磋琢磨(せっさたくま)が本県のレベルを一層高めていくことになる。

 過疎化、少子化で生徒数が減少。連合チームを組んで出場を果たすケースが続いている。練習は大変だが、参加できる喜びは大きいだろう。

 また、昨夏の連合チームから今夏は単独チームとして出場した葛巻や、13人ながら16強入りした花泉などの健闘も印象に残った。小規模校の励みになる。