花巻、遠野、宮古市にまたがる早池峰山(1917メートル)でグリーンボランティアをする盛岡市の男性から「高山植物の生息域に無断で駐車する登山者が後を絶たない」と、特命記者係に情報が寄せられた。ハヤチネウスユキソウなど高山植物が豊富な早池峰山周辺の約8145ヘクタールは、森林生態系保護地域に指定されている国有林。駐車を防ぐ対策をしても別の場所に止められるいたちごっこで、一部の登山者のマナーが問われている。

 土日祝日は午前5時~午後5時(普通車は午後1時まで)に登山口への交通を規制しシャトルバスを運行するため駐車車両はみられないが、バスが無い平日も多い日に300人が入山することもあり、道路沿いに乗用車などが並ぶ。

 タイヤは少なからず植物を踏み荒らし、ハクサンチドリなどの高山植物の根を傷めたり、外来種の種が土に入り込む可能性がある。

 早池峰国定公園自然公園保護管理員やグリーンボランティアが「マナー違反」「国定公園特別地域で絶対に駐車しないで」と記した文書を貼ったり、口頭で注意したりしているが、駐車する車は後を絶たない。

 県は5月下旬~6月上旬、駐車が目立つ小田越付近の計8カ所にデリネーター(視線誘導標)を設置し止められないようにしたが、登山者はスペースを見つけて駐車を続けている。

 岩手大人文社会科学部の竹原明秀教授(植物生態学)は「地面がぬかるんでいる時に車が進入すると、植物が抜けてしまい、大雨や雪解け水で周りの植物も流される。種は服や靴、車の中から持ち込まれる可能性があり、外来種が生えるリスクが高まる。こうした状況は50年前から問題視されている」と指摘する。