【仙台支社】国際リニアコライダー(ILC)誘致を目指す東北ILC準備室長の鈴木厚人県立大学長は24日、仙台市内で報道陣に対し、国内外の近況を説明した。日仏独の政府間で今月「ディスカッショングループ(協議会)の設置について合意した」と述べた。

 鈴木学長は今月1、2の両日、文部科学省の幹部や国会議員連盟の河村建夫会長らと仏独を訪問。日本側が現地の政府高官らに対し「ILCに関心がある」とする日本政府の見解を説明した上で合意に至った。

 日米の政府間では2016年に同様の協議会が設置され、4月までに計4回の会合を開催。日仏独間では月内に初会合を持ち、建設費削減の共同研究などについて話し合う方向だ。

 ILCの成否に影響する次期欧州素粒子物理戦略(20~24年)の策定時期が来年に迫る中、鈴木学長は「できるだけ早く仏独と意見交換を進める準備ができ上がった」と説明。「欧州戦略をにらみ、日本も対応しなければならない」との課題意識を示した。

 同席した東京大素粒子物理国際研究センターの山下了(さとる)特任教授は、欧州戦略にILCが記載されるための要件について▽技術▽費用▽政治・行政的関与▽地元の理解-を挙げ「これらを全て満たせば間違いない」と強調。今後の活動として土木学会と連携し、世界最有力の建設候補地とされる北上山地(北上高地)の現地調査や設計を進める計画を説明した。

 同準備室は東北ILC推進協議会が、受け入れ環境を整備する実動部隊として設置している。