【本紙特派員・斎藤孟】マリナーズの菊池雄星(花巻東高)が1カ月近く白星から遠ざかっている。苦しいマウンドが続くが「これが挑戦ってやつですよね」と決して下を向かない。今後はチェンジアップの精度が鍵を握りそうだ。強打者との対戦で経験値を高めて進化する左腕は「これを乗り越えてまた野球がうまくなりたいし、強くなりたい」と逆境をばねに成長する。

 菊池は今季21試合に登板し、4勝7敗。107回1/3を投げ、防御率5・37。最後の勝利は6月23日のオリオールズ戦までさかのぼる。苦悩していると思いきや、表情は意欲に満ちていた。

 「自分から厳しい世界に飛び込んだので逆境もあるだろうし、経験したことがないことも実際に起きている。これでめげて俺はだめだって思うぐらいだったら(メジャーに)来ていない。プロに入ってからも順調に来たわけではない。いろんなものを乗り越えてきたので今回も乗り越えたい」。背番号18は海を渡った時の覚悟を忘れていなかった。

 これまで何を感じたのか。見つけた課題をどのように克服するのか。球速が落ちて思うような球が投げられなくなっていたのは、中4日の登板による疲労のようだ。

 「日本のように万全な状態でいける(登板できる)試合が少ない。球速が2~3キロ落ちた状態で勝負しなければならなかった」と振り返る。

 メジャーは1番から9番まで本塁打を放つ力があり、相手がヤマを張った球種を投げると一発を食らう可能性が高まる。日本では直球とスライダーだけで打ち取れたが、投球の幅を広げるためにチェンジアップを取り入れた。「日本でも感じていたが(メジャーでは)ないと厳しいと思った」と説明する。

 「チェンジアップがスライダーと同じくらい自信を持って投げられるようになったら相当変わる。まだ2ボール、3ボールから投げられるまでの信頼はないが、少しずつものにできている。それができた時はかなり楽になると思う」と展望する。