参院選は、女性の当選が選挙区、比例代表合わせて28人となった。過去最多となった前回2016年と並ぶ。当選者全体に占める女性の比率は22・6%となり、改選議席が今回より3議席少なかった前回の23・1%から後退した。政治と女性の距離はなかなか縮まらない。

 政党に男女の候補者数の均等化を促す「政治分野の男女共同参画推進法」が成立し、初めての大型国政選挙。積極的に擁立を進めた野党の一方、現職議員も多い与党は消極的だった。それでも候補者全体に占める女性割合の28・1%は過去最高となり、選挙結果が注目されていた。

 自民党は擁立した女性12人のうち10人、公明党は立てた2人とも当選。女性候補同士の事実上の一騎打ちとなった福島選挙区は、自民現職が野党統一候補を破った。党によってばらつきはあるが、3~7割程度を女性に充てた野党側は、15選挙区で女性を擁立し、うち5人が勝利した。

 しかし、政府が掲げる「指導的地位の女性を20年までに30%」の目標には届かなかった。集団や組織で少数派が30%を超えると、意思決定に影響を及ぼすとされる。政治分野の男女共同参画推進法もこの流れをくんだものだ。

 各国と比べて、日本の女性議員は少ない。今年1月時点で衆院10・2%、参院20・7%。その割合は、各国の議会でつくる列国議会同盟によると、193カ国中163位。政治・経済分野の男女格差を示す多くの指標で、日本は世界に遅れを取っている。

 だからこそ、本気度が問われた。安倍晋三首相は、自民党の女性候補比率が不十分との認識を示した上で「次の選挙でより多く立てるべく努力を重ねたい」と述べた。道筋に具体性は感じられない。重要テーマと言いつつも「掛け声だけか」との疑念も浮かぶだろう。

 労働力不足を背景に、「わが国最大の潜在力」と持ち上げられた女性が輝く社会とは何だろう。数値目標ばかりが強調されがちだが、本質的には働く場面でその個性と能力を発揮できることだ。

 そのスタートラインに立てる人ばかりではない。働く女性は3千万人に迫るが、非正規雇用の約7割を占めるのが女性。男性との賃金格差も依然として大きい。家族のあり方は多様化するが、選択的夫婦別姓を巡る論議も盛り上がりを欠いた。

 参院選で初当選を果たした1人は「意思決定の場に女性が普通にいる、という景色を見いだしたい」と語った。

 有権者の半分は女性。男性中心の政治、社会のあり方でいいのだろうか。特別な何かではない。ただ「普通」であることを望んでいるだけだ。