雫石町でイノシシが生息域を広げている。これまでほとんど目撃されていなかった地区にも北上し、2018年度から目撃情報や農地への被害が確認されるようになった。町では農地への侵入を防ぐ電気柵への補助を行ったり、広報で注意喚起しながら被害防止へ力を注ぐ。

 イノシシは鼻で田畑を踏み荒らしたり、あぜ道を掘り返して農作物に被害を及ぼすほか、人を襲う可能性もある。6月上旬に同町御明神の水路に落ちた状態で発見された雌のイノシシは繁殖力の高さを物語るように4匹の子を宿していた。

 18年度の町内での目撃・被害件数は113件と、前年度の45件から約2・5倍に急増。これまでは南部の御所地区が中心だったが、以前にほとんど情報がなかった北部の西山地区でも15件に上り、町鳥獣被害対策実施隊はわなと猟銃で7頭を捕獲・駆除した。

 同町西安庭の農業三河尚さん(66)は17年、ソーラー電池式の電気柵を導入。それまであった掘り返し被害がなくなり「費用がかかったのは最初だけだった。草刈りの手間はあるが、電気柵の威力を感じる」と話す。

 町では15年度から農地への電気柵設置への補助金を交付。本年度は124万5千円を予算化し、農作物の販売目的の場合2分の1(上限5万円)、自家消費の場合3分の1(上限1万5千円)を補助する。今月8日現在で11件(補助額計41万4千円)の申請がある。