陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)は21日、今季のエゾイシカゲガイの出荷を始めた。規制値を超える下痢性貝毒検出のため例年より約3週間遅れとなる初出荷。「広田湾産イシカゲ貝」としてブランド化を目指しており、市は作業の省力化に向けた機械導入を支援するなど生産拡大と担い手確保に力を入れる。

 初日の出荷量は約2・2トンで、関西方面や東京などの各市場にトラックで運びだした。前日には生産者が選別などの作業をして初出荷に備えた。出荷は秋まで行い、本年度は前年比約10トン減の約43トンを見込む。

 同漁協広田湾産イシカゲ貝生産組合の熊谷信弘組合長(63)は「量は少なくなりそうだが成長は悪くない。種をしっかり採れるかが生産量を左右するだけに、自然採苗の改善、体制確立を目指したい」と前を向いた。

 エゾイシカゲガイは市場では「石垣貝」と呼ばれ、濃厚なうま味や甘味が特長。産業ベースで養殖している自治体は他になく、すし業界や料亭からの需要が多い。東日本大震災で養殖施設が全壊したが2014年から出荷を再開した。現在の生産者は同組合の16人。生産量100トンを目指しており、一層の担い手確保が欠かせない。

 直径約50センチのボウル形の容器に砂を入れて養殖しており、砂を詰める陸上作業が手作業のため負担が大きかった。市は本年度、自動で砂を詰める機械6台の導入を支援し、生産者の負担軽減を図る。