参院選はきょう投票日。17日間にわたる舌戦に審判が下される。

 今選挙で有権者からよく聞かれるのは、「あすの暮らし」に対する不安だ。それは公示の1カ月前になって、にわかに焦点化された年金問題に象徴されるだろう。

 国の審議会が出した試算値によって、「人生100年時代には年金だけでは老後を賄えず、夫婦で2千万円の蓄えが必要」という認識が国民の間に瞬く間に広がった。

 「貯金なんて考えられない。その日の暮らしで精いっぱい」。本県に暮らす被災者の声に共感する人は多いに違いない。

 年金問題が波紋を広げた背景には、日常の中で人々が不安をうすうす感じていたことがあるのではないか。

 少子高齢社会の日本。人口や年齢構成、年金制度などを冷静に分析すれば自明と言えるかもしれない。政治の周知不足がある。ただ、国民自身にも、問題を見て見ぬ振りをしてきた部分はないか。

 医療費や年金など社会保障の負担が重くなるのは避けられない。では、財源をどう確保するのか。あるいはどの分野の支出を削減して捻出するのか。政策や制度設計が必要だ。

 その場しのぎではない、未来に向けての「国の仕組み」をどう考えるか。それが今、私たちに託されている。国政選挙はその機会となる。

 しかし、近年、国政選挙の投票率が低迷している。前回参院選(16年)で本県全体は57%台、衆院選(17年)は59%台と、いずれも60%を割っている。

 共同通信社の全国世論調査によると、参院選への関心度は前回参院選での調査に比べ下がっており、投票率への影響が懸念される。

 年代別に見ると、関心は若くなるに従い低くなる。若い人は自分たちの利益を代表する候補が見当たらず、選挙に行く動機を見いだしにくいと言われる。

 しかし、「国の仕組み」と長く関わっていくのは若い人たちだ。今の選択が未来を決めるという自覚を持ちたい。

 消費税、経済政策、雇用、賃金、子育て、安全保障、外交、エネルギー、震災復興、地域活性化…。さまざまな政策課題に対して各候補それぞれの主張がある。

 公約を見比べれば共鳴する点はあるはずだ。そこから選んでみよう。権利を行使しないのはもったいない。

 参院選は選挙区が広く、候補者の声が届きにくかった面がある。まだ悩んでいる人は、これまでの報道や、選挙公報などに改めて目を通してみてはどうだろう。

 1票を大切にして、投票所に足を運びたい。