普段、コンビニで使うお金は数百円。たくさん買う時はスーパーだ。しかし、この時ばかりはお菓子、カップラーメン、コーヒーなど、手当たり次第に買い物かごへ。しこたま買い込んだ

▼福島第1原発が立地し、事故の影響で全町避難が続いていた大熊町。4月に一部地域で避難指示が解除され、先月には仮設のコンビニがオープン。買い物に行ってきた

▼人けの無い家々が点在する道を走り、程なく避難指示解除地区へ。真新しい役場庁舎、災害公営住宅が立ち並ぶ一角に、コンビニがぽつんと建っていた。雨が降っていたこともあり、寂しさが募る。店内の明るい雰囲気と充実した品ぞろえが救いだった

▼今回の参院選は、町にとって大きな節目だ。2010年10月の福島県知事選以来、約9年ぶりに町内に投票所が開設された。今週から期日前投票が始まり、復興推進を願って1票を投じる町民の姿が報じられた

▼ただ、7月1日時点で町に戻った住民は66人。1万1千人超だった事故前には遠く及ばない。町外に避難する有権者のため、郡山市などにも期日前投票所を設けている

▼参院選の投票率低下が懸念されている。政治と縁遠い日常から、投票所に足が向かない人も多いかもしれない。だが、福島を思ってほしい。日常そのものの回復がなお遠い現実。政治に無関心ではいられない。