シカの衝突を防ぎ、ダイヤを守れ―。JR東日本盛岡支社は12日、山間部を走る釜石線で、接触事故を減らすためシカが嫌うとされる液剤を散布するなど対策を実施した。釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム(釜石市)でのラグビー・ワールドカップ(W杯)や、日本代表とフィジー代表との試合を前に、事故で観客らの移動に影響が出ないよう例年より実施を早めた。

 作業員が線路沿いの約5キロで、液剤約千リットルを散布。早朝や夜間にシカを遠ざけるためのレーザー光の照射も報道陣に公開した。

 同支社によると釜石線や、同様に山間部を通る山田線では昨年度、シカやカモシカとの衝突が計386件発生。JR東日本管内全体で811件だが5割近くを占める。死骸の除去や安全確認で列車が遅れ、乗客が乗り継ぐ新幹線やバスに間に合わなくなる恐れもある。

 2004年から同支社と岩手大が共同研究し、シカが嫌うとされるライオンのフンから、成分を抽出して液剤を開発。釜石線や山田線で散布している。ただ、天候などの影響もあり効果は2~4カ月程度と限定的。侵入を防ぐネットなども一部に設置したが完全な事故防止には至っていない。