ラグビーワールドカップ(W杯)を今秋に控え、消防庁、県、釜石市は11日、試合会場となる同市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムでテロ発生を想定した訓練を行った。化学物質サリンの散布や爆破を想定し、約千人が緊迫のやりとりを展開。大会では約1万6千人の観客が見込まれ、外国人客の誘導も課題となる。図上対応と現場の実動を連動させた本県初の訓練を通して、緊急時の対応を確認した。

 自衛隊、県警、消防、医療機関など関係54機関が参加。スタジアム内にドローン(小型無人機)で猛毒のサリンが散布され、避難中に駐車場で爆発が起きたとの想定で行った。現場では指揮する調整所が設置され、県の対策本部や市の連絡室と情報共有した。

 負傷者の救助訓練では、防護服を身に着けた消防署員が多数の重傷者を担架でスタンドから運びだし、医療関係者らが手当ての緊急度を判定するトリアージを実施。付着したサリンを除染するシャワーも行った。

 訓練には県内の在日外国人13人も観客役で参加。誘導員が翻訳機能が付いたハンドマイクやアプリを使い、英語や中国語での誘導を試みた。