本県でシカによる農作物被害が後を絶たない中、県内の若手経営者2人が本年度、「シカ角ビジネス」を本格化させる。東京電力福島第1原発事故の影響でシカ肉の出荷制限が続いているが、捨てられてきた角をアクセサリーやキャンプ用品などとして商品化。猟師の収入に結びつく仕組みづくりを進め「後継ハンター」の確保にも貢献する考えだ。

 手掛けるのは、住田町地域おこし協力隊員で、町内の特産品を開発・販売するHUB(ハブ)の菊池顕(けん)代表(32)=釜石市出身=と、盛岡市のハンドメードアクセサリー・雑貨店「旅人屋(たびびとや)」のオーナー松尾純子さん(42)=滝沢市出身。

 1年半前に狩猟免許を取得した菊池さんは、同町で駆除後に捨てられていた角に目を付けた。自身が材料の調達役となり、友人の松尾さんがデザインや製造を担う。商品は壁掛け、お守り、ピンバッジ、箸置きなどで、昨年6月から販売を始めた。

 2人は猟師の稼げる環境を整えることで後継者不足の改善、シカ被害の減少を期待。菊池さんは「被害の現状はあまり知られていない。商品をきっかけに認知され、少しずつ緩和されればいい」と願う。

 商品はネット通販(https://www.creema.jp/creator/2779332/item/onsale)や、県内の百貨店や産直など10店舗で購入できる。