「盛岡駅の改札でなぜSuica(スイカ)が使えないのか」との疑問が取材班に寄せられた。JR東日本のスイカなど全国の鉄道で交通系ICカードのサービスが広がる中、本県の在来線で使えるのはJR一ノ関駅と平泉駅のみ。盛岡駅などでは導入のめどが立っていない。同社は膨大な工費に見合った投資効果が見込めない現状を理由に挙げている。

 改札口の機器にカードやスマートフォンをタッチするだけで支払いが済むスイカの利便性は高く、広く定着してきた。県内ではスイカを駅内のコンビニ店で購入でき、買い物の支払いなどには使えるが、在来線で使えるのは一ノ関、平泉の両駅のみだ。2014年に宮城エリアから拡大される形で実現した両駅の17年度の乗車人員は1日平均4878人。盛岡駅は約3・5倍の1万7957人だが、導入の動きはない。

 JR盛岡支社は「費用対効果が見込めない」と主因を説明する。同駅に専用機器を備えるとなれば、盛岡-平泉間の各駅にも導入しなければ通学・通勤客らの利用が見込めない。複雑な共通システムの各駅単位での構築も必要。JR関係者によると、整備には莫大(ばくだい)な費用が想定される。

 「現時点で具体的な計画はないが、設置を求める声は理解している。検討は続けたい」と同支社の原基幸広報室長。JR東は地方でも導入しやすいようスイカの新システムについて検討を進めている。