多忙な教員の実態があらためて浮き彫りになった。経済協力開発機構(OECD)が公表した第3回国際教員指導環境調査(2018年実施)では、日本の中学校教員の仕事時間は1週間当たり56・0時間で世界最長。働き方改革は待ったなしの状況だ。

 調査には48カ国・地域が参加し、平均は週38・3時間。今回新たに行われた小学校教員の仕事時間も15カ国・地域で最長の週54・4時間と突出している。

 中学高校ではかねてより、部活動を含む課外活動の指導の長さが指摘されてきた。本県は特に、生徒の部活動加入率が極めて高い。試合や練習で週末も返上。しかも顧問となる競技や分野に必ずしも精通していないとあれば、精神的な負担も懸念される。

 生徒にとって学習や休養時間確保の面でも、一定の休養日を設ける意義は大きい。顧問に代わって指導や試合に引率する「部活動指導員」の積極的な起用も求められている。県教委は本年度、全中学校に配置する方針で、担い手確保が急がれよう。

 OECD調査では、書類作成のような事務作業にかかる時間の長さも明らかになった。中学教員で週5・6時間(平均2・7時間)。一方、こうした業務に追われるためか、教員の力を高める「職能開発活動」に充てる時間はわずか0・6時間(同2・0時間)で最短だった。

 県教委の働き方改革プランは教職員の心身の健康確保、長時間勤務ゼロを目指して多方面から取り組みを進める。昨夏実施のアンケートでは、64%の教職員が時間外勤務時間が多いと感じ、職場で最も改善してほしいものとして業務の全体量(49%)、非効率な業務の多さ(22%)などを挙げた。

 負担軽減に向けては事務作業を担うサポートスタッフらの活用や、お盆や年末年始などの学校閉庁日設定などもその一環。行事見直しを模索する学校もある。「先生は忙しい」とは知られているが、改善に向けては保護者や地域と課題意識の共有・理解、協力も欠かせない。

 現状は「子どものため」と思う教員の長時間勤務に支えられている学校現場だ。新学習指導要領では主体的・対話的で深い学びの実現に向け、創造的な授業づくりが求められている。ゆとりのない状況で果たして、児童生徒への質の高い教育に注力することはできるのか。

 子どもたちは、予測できない未来を歩いていく。一人一人の個性と向き合い、可能性を見つける。教員は、そうした生きる力を支える存在だ。教員にしかできない役割を、その仕事に全力が傾けられる環境づくりを急ぎたい。