女性の在宅就労支援 キャリア・マム(東京)

 子育て中の女性らの在宅就労事業などを展開する株式会社キャリア・マム(東京都多摩市、堤香苗代表取締役)は、社員や会員に対し、新聞購読を積極的に勧めている。

 同社は「女性のキャリアと社会をつなぐ」を企業理念に2000年創設。全国に約10万人の会員を持ち、企業や官公庁と連携し在宅就労や再就職、起業を支援。育児室を併設した共同で仕事をするシェアオフィス・コワーキングスペースの運営も手がける。在宅就労は、店頭調査やアンケート、メールマガジンの作成、編集、コンピューター利用設計システム(CAD)、商品開発など幅広い。

 在宅で仕事をする女性とのやりとりはメールが中心。業務連絡を対面で行うことは少ない。同社は「社会の動きをしっかり理解し、文章を読み解き、理解することがミスを防ぐ必須の条件」とし、「その上で新聞は有効なツール」と説明する。世の中の動きを知り、さまざまな情報を整理し簡潔に伝える日本語に接することは、考える力や読解力を強化。仕様書を理解する速さや深さにつながり、ミスやトラブルが減るという。

 社員採用時に必ず「新聞、読んでますか」と質問する同社。広報室の田村真理室長(45)は「ビジネス教育の視点から新聞購読を勧めている。新聞は、多くの情報を吟味しコンパクトにまとめている。1部、ペットボトル1本分の100円程度、1カ月3千~4千円というのは安価な教材」と話す。

 育児中は、幼児語を話す時間が長く語彙(ごい)力の低下につながるといい、仕事で使う言葉を取り戻す意味でも新聞購読を推奨。関心のないテーマに触れ視野を広げることで、再就職への不安を減らす効果も強調する。


社会人基礎力育む教材

 社員や会員に新聞購読を勧めるキャリア・マムの井筒祥子取締役(53)に、ビジネスと新聞の関係を重視する理由などを聞いた。

(聞き手 NIE・読者部 礒崎真澄)

「新聞は語彙力、表現力を身に付け、社会人の基礎力を育む」と話すキャリア・マムの井筒祥子取締役

-社員や会員に新聞の購読を勧めている。

 「ビジネスには、世の中を知ること、読む力、書く力が欠かせない。社会人の基礎力といってもいい。新聞は、ざっくり読むだけで社会の動きが分かり、語彙力、表現力が身に付く。再就職の希望者には『世の中に目を向けよう。そこで1日100円程度使わない手はない。新聞を読まなければ一人前ではない』と話している」

-社員・会員教育に、新聞を使う利点は。

 「メインの顧客は大企業で、ITや時代の先端の事業を行う人も多い。一緒に仕事をするためには、最短の時間で、もれなく情報をアップデートする必要がある。社員行動指針『自ら学習し続け成長しよう』のツールとして新聞は最適だ」

 「遠隔地のワーカーもおり、新聞は情報を共有し共通認識を持つ基盤だ。最新の情報が自宅に届けられるため、在宅作業者らでも情報がプッシュ型で手に入る利便性がある」

 「IT社会になればなるほど、文章が読める、書ける人材でなければ仕事や業務が難しくなる。『文章が書ける』ためには、一定の文章を読む必要がある。新聞は、きれいな日本語で、社会常識とビジネスの知識を会得できる。しっかりしたスキルを持つビジネス人材として活躍するために、新聞購読はビジネスの基本的な体力を付けると考えている」

-ビジネスへの新聞に期待することは。

 「情報社会の中で、自分の知識や経験を超えた相手に接するとき、新聞で得た情報はコミュニケーションを補完する材料になる。訪問先の記事は会話を広げ、人事情報も押さえられる。経営者ら格上の人と社員が同等に話をするために、社会常識やビジネス常識を学んでほしい。知識や考え方にバイアスがかからないようにするためにも新聞は有用。一度離職した人は、一般常識の核を新聞に置きビジネス社会とつながっていることが大切。復職や再就職する際、とても役に立つ」

-新聞を購読する家庭は減っている。

 「女性対象の新聞購読に関するアンケートで、『読んでいる』と答えた女性が50%以下だったのに対し『子どもに読ませたい』との回答が79%超だった。理由は活字に触れてほしい、視野を広げてほしい、文章力が上がると思う-など。購読家庭では、コミュニケーションのツールとなっている。親が読めば子どもも読むようになる」

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