岩手医大付属病院の移転、開院を9月に控え、にぎわいを増す矢巾町。読者から、JR矢幅駅東口前の十字路交差点について「町が発展し、車通りも多いのに信号機がないのはなぜ」との声が寄せられた。朝夕の通勤通学時には多くの人が行き交い、日中は親子連れも目立つ。今後は病院関係者、患者やその家族らでさらに歩行者も車も増えるだけに対策は急務だ。

 同交差点は県道と町道が重なる。近くには公園や飲食店、保育施設をはじめ、図書センターや子育て世代支援活動センターなどが入る「やはぱーく」もある。

 6歳と2歳の息子を連れた同町高田の会社員佐藤慶太さん(34)は「病院や買い物、公園などに向かうため横断する。車の往来が多いので、子どもが事故に遭わないか心配だ」と明かす。

 紫波署によると、同交差点の事故は1~5月に1件あり、前年同期に比べ3件減。全て車同士の追突事故だった。同署は交差点での取り締まりや警戒に力を入れ、1月には安全モデル横断歩道に指定。土日には、地域住民が見守り活動も行っている。同署交通課の照井峰子課長は「対策を強化している成果も出ている」としながら「重大事故は起きていないが、事故件数と住民の安心度は比例しない」とみる。

 一帯は、同駅前地区区画整理事業(2011~17年施工)で整備した。交通量の増加を見込んだ町は12年から毎年、町交通安全対策協議会を通して信号機設置を要望。町道には注意喚起の看板も複数設置してきた。

 一方で、近隣住民からは信号機設置は、さらなる渋滞を招く可能性があるとの声も出ている。通勤時間帯には駅北側の上杉踏切から交差点付近までの約250メートルが渋滞している。矢巾1区の斎藤庄司区長(64)は「歩行者の安全を守るには信号機が必要だが、交通の円滑化には別の方法も必要では」と指摘する。

 交通関連設備の設置要望は、各警察署の安全対策協議会を通し県警で審査、県公安委員会の了解を得て設置を決める。信号機は1時間当たりの道路交通量など多くの設置条件がある。全県の要望に対し、限られた予算内で優先度などを判断するため、全て実現するとは限らないのが実情だ。