県内出張でも鉄道沿線であれば列車を使うことが少なくない。移動中は本を読むこともでき、時間を有効に使える。それだけではない。沿線の景色を見るのが楽しいのだ。その点では、在来線が味わい深い

▼新幹線は速くて便利だが、景色も速く流れていく。一方、在来線各駅停車だと、街並みや田園風景をじっくり堪能できる。加えて、乗ってくる人々がまとう地域の空気も列車に運びこまれてくるように感じる

▼地域鉄道だとその感じはなおさら強いのではないか。地元に暮らす人にとって便利な「足」は、旅行者にとっては利便性だけでなく地域の魅力を増す存在だ。車窓の風景や地元の乗客の姿が旅情をかきたてる

▼本県の地域鉄道の一つ、三陸鉄道は、今春開通したリアス線が快調な出足を見せた。旧JR山田線区間が移管されて鉄路が一本につながった効果が、既存の旧南北リアス線区間の乗客数も大きく押し上げた

▼4月の利用実績によると、特に観光団体の伸びが大きい。三陸の風景や空気、そして各地での味覚を堪能したことだろう。もちろん、個人で旅行に利用したケースも増えたに違いない。快走を続けてほしい

▼もう一つの地域鉄道、IGRいわて銀河鉄道の沿線である県北エリアにもさまざまな観光資源がある。三鉄やIGRに乗って地域を体感する旅の魅力を広げたい。