再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が見直されることになった。大規模太陽光発電の買い取り終了など、新たな仕組みが検討される。今後の普及に影響するのは必至で、促進の流れを止めない手だてが求められる。

 同制度によって再生エネ導入の機運は高まり、本県を含め国内各地への発電設備設置のペースは加速した。果たした役割は大きい。

 ただ、事業者の参入を促す固定価格は消費者の負担を重くした。全量を一定価格で買い取る電力会社は電気料金に「賦課金」として上乗せする形で転嫁し、家庭や企業が幅広く負担している。

 2019年度の一般的な家庭の上乗せ額は年間9千円を超える見通しだ。経済産業省の見直しはこの負担が背景にあり軽減を図る。ただ、将来を担う再生エネの普及には、一定の負担はやむを得ない面もあろう。

 とはいえ負担の一因には、買い取り制度の設計不備もあった。長い期間保証される固定価格の額だが、特に当初高く設定された太陽光は、建設が容易なこともあって大規模施設の申請が殺到。中には資材などコストの将来の低減を当て込み、故意に発電開始を遅らせて過剰な利益をもくろむ業者もみられた。

 その後、制度の修正が図られ、買い取り価格も下げられてきたが、ゆがみをもたらしたことは否めない。

 それでも、再生エネに対する関心と普及の実績は高まった。この流れを妨げてはならない。

 新制度の詳細な内容は今後議論されるが、固定価格買い取り終了の対象は太陽光や風力の大規模発電施設となる方向だ。家庭用太陽光の買い取りは維持されるとみられる。

 普及に伸び悩むバイオマスなども維持が検討されるようだ。これらの電源には手厚い支援の継続が必要なのは当然で、地場企業育成のためには小規模事業者優遇も重要だろう。

 本県では太陽光や風力に加え、地熱の開発、海洋エネルギーなど新技術研究も展開されている。このようなエネルギー開発の強化の視点も忘れてはならない。

 買い取り終了となる電源については、入札と市場価格を組み合わせる仕組みが考えられている。これにより電気料金が下がれば消費者には歓迎されるが、事業者の参入意欲低下が懸念される。

 政府は「脱炭素社会」実現に向けた地球温暖化対策の長期戦略を閣議決定し、再生エネを主力電源と位置付けている。新制度移行で普及に陰りが出ては元も子もない。普及の流れを止めないよう、丁寧な制度設計、政策立案が不可欠だ。