2019.06.17

足りぬ「高力ボルト」 鉄骨接合、五輪建設で需要

全国的に入手困難な高力ボルト(下)。長さ10センチ程度が一般的で、ナット(左上)と座金(右上)を組み合わせて使う(国土交通省提供)
全国的に入手困難な高力ボルト(下)。長さ10センチ程度が一般的で、ナット(左上)と座金(右上)を組み合わせて使う(国土交通省提供)

 「ハイテンションボルトを探しています」。西日本新聞社(福岡市)の特命取材班に、関東や九州の読者からSOSが寄せられた。ビルや橋などの建設に欠かせない「高力ボルト」のことで、全国平均で約8カ月待ちの状態。2020年東京五輪に伴う建設ラッシュなどの影響とみられ、国は業界に適切な発注を促す異例の措置を講じた。復興工事が進む本県被災地でも建設業者らが確保に奔走しており長期化すれば復興の遅れも懸念される。

 

長期化なら本県復興に影響

 東日本大震災からの復興が進む本県沿岸でも高力ボルトの不足がみられる。建設業者の調達努力などで工事の遅れは表面化していないが、「長期化すれば復興の足かせになりかねない」と懸念の声が聞かれる。

 県内の建設関係者によると、高力ボルトは復興工事にも多数使用されている。不足が深刻化する前に大半の工事が終わっており致命的な影響はなさそうだが、三陸道や宮古盛岡横断道路はまさに今、高力ボルトが必要な局面を迎えている。

 両道路を建設中の三陸国道事務所によると、高力ボルトの納期が遅れており、最長4カ月ほど遅れそうなものもある。影響で工期が延びる恐れもあるが、小山田桂夫副所長は「開通時期など事業のスケジュール自体が遅れることはないだろう。価格が高騰した場合は金額の妥当性を検討して進めていく」と話す。

 津波の被害が大きく、今後大規模建築が控える地域でも懸念が広がる。

 陸前高田市米崎町の佐武建設(須賀芳也社長)は、市民文化会館(仮称)や高田松原公園内の野球場に隣接する屋内練習場の建設に高力ボルトを使用。必要数はどうにか確保したが、佐藤重喜常務は「納入まで7、8カ月かかると聞いている。今後ボルトを使う工事が入ってきても現状では数が足りない」と戸惑う。

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