奥州市の総合物流業・白金運輸(海鋒(かいほこ)徹哉社長)とヤマトロジスティクスベトナム(本社、ハノイ市)は、ベトナム・ホーチミン市に本県の海産物や農産物を扱うアンテナショップを開設する。両社の持つネットワークや生鮮食品の輸送技術を生かした試みで、年内の開所を目指す。現地進出が相次ぐ日系企業の社員や家族の利用を見込み、県産品の販路拡大を後押しする。

 白金運輸によると、アンテナショップはホーチミン市中心部にあるヤマトグループのパン店(153平方メートル)の一角に設ける。白金運輸が国内の物流と全体のコーディネートを担い、ベトナム国内の輸送はヤマトロジスティクスが行う。食材は大船渡港や釜石港からの海上輸送を検討している。ベトナム南部に位置するホーチミン市は人口830万人(2016年時点)の主要都市。日系企業の進出は約950社で、駐在する日本人は5千人以上とみられる。

 アンテナショップ開設を前に、ヤマト運輸を利用して引っ越しした日本人駐在員らを対象にした試食会を開いた。食材は川石水産(山田町)、三陸とれたて市場(大船渡市)、クラシコ、第三ライスセンター(奥州市)が提供。海産品を生細胞凍結保管技術(CAS凍結技術)を用いて鮮度を保ったまま空輸し、海鮮丼や漬物などを振る舞った。

 現地に駐在する白金運輸の伊藤達也取締役は「参加者の反応はとても良かった。日系の百貨店や大手スーパーも進出しているが、消費者がおいしく安全安心な食品を求めていることを痛感した」と手応えを語る。