祭りばやしも合唱も、鹿踊の太鼓も管弦楽も、音楽は何でも好きだ。最近のお気に入りは陸前高田市民歌。軽快なメロディーもさることながら、「白砂に波はくだけて 夏雲の高田松原」などの歌詞が美しく、つい口ずさんでしまう。

 初めて聞いたのは成人式取材の時。市民になじみ深く、市内の演奏会ではよく耳にする。地元出身の歌手千昌夫さんの「北国の春」や「花は咲く」も定番で、先月アバッセたかたで開かれた演奏会「希望のトランペット」でも披露された。

 県内外から集まった年齢も演奏歴も異なる約50人の奏者は、東日本大震災や他の災害の被災者もいれば、支援者もいた。しかし復興を願う気持ちは一つで、海に向かって響かせた鎮魂と希望の音色は圧巻だった。

 会場を埋め尽くした観客は音楽に合わせて体を揺らし、口ずさみ、拍手を送った。手弁当で準備に奔走する奏者やスタッフを見ていただけに、とてもうれしかった。今夏ジャズ喫茶を再建するマスターの「どんなときも、人の気持ちを和ませるのは音楽だ」という言葉を思い出した。

 住田町では7月、ケセンロックフェスティバルが開かれる。8月は陸前高田市のうごく七夕まつりと気仙町けんか七夕祭り。気仙の夏を彩るさまざまな音楽が今から楽しみだ。

(小野寺 唯)