2019.05.30

細かい校則、生徒疑問 福岡県の県立高、髪型や下着の色も規定

 「なぜ、ツーブロックの髪形がだめなのでしょうか」「夏は下着の色までチェックされる」。西日本新聞(本社福岡市)の特命取材班に高校生から校則に関する疑問や不満の声が寄せられている。取材班が調べたところ、頭頂部を長く残し、サイドや後頭部を短く刈り上げたツーブロックは福岡県立高・中等教育学校全95校中、少なくとも27校が禁止項目に明記。28校が女子の下着の色を白や紺などと限定、多くが柄物を禁じていたことも分かった。

 無料通信アプリLINE(ライン)で意見を寄せた同県内の2年の女子生徒によると、入学時に新入生全員に配られた資料には、夏服の際に着用できる下着の色などが細かく示された。

 各校に記述式のアンケートで理由を尋ねると「清潔に見え、印象がよいと思われる」「白のブラウスから透けず、制服との調和を保てる」「見えないところにも気配りすることで、制服と私服の区別を付ける」といった回答だった。

 癖毛に悩まされていた福岡市の女性(22)は中学生の頃、校則で認められた細いヘアピンでは髪が留まらず、太いピン(パッチン留め)をして登校。ベテランの女性教師から厳しい口調で注意された。女性は「個性が尊重され、多様性を認める時代なのに校則には根拠のないものが残っている」と訴える。

 同県立高のほとんどは髪の長さを規定。男子の前髪は目または眉、後ろは襟、横は耳に掛からない、女子の後ろ髪は肩の線までとし、それ以上は結ぶこととしていた。リボンやシュシュ、髪飾りは禁止する学校もあった。

 文部科学省は校則について「内容は児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければならない」とする。

 しかし同県立高の校則には、禁止する男子の髪形で「アイパー(アイロンパーマ)」「コテ」「リーゼント」など「昭和」を感じさせる表現がなお目立ち「積極的な見直し」の形跡は見えない。令和を迎えた今、時代遅れ感は顕著だ。


画一的内容、本県でも 多様性の時代、相いれず

 髪形や服装を校則で規定し、細かく運用する動きは本県の県立高でも見られる。生徒は校則の必要性は認めつつ、多様性を尊重する時代には相いれない画一的な内容に首をかしげる。

 「改めて文字で見ると細かい」。遠野市の遠野高3年の女子生徒は、生徒手帳の校則を読み返し素直な言葉を口にした。「スカート丈は膝下3~5センチ、髪は長さなどに注意し高校生らしく清楚(せいそ)に…」。規定は多いが「高校生として常識の範囲内」と冷静に受け止める。

 一方、就職率が高い専門高校はより整容に厳しい傾向にある。盛岡市の盛岡商高は1、2カ月に1回ほど服装点検を実施。就職面接を意識し、靴下の長さや色の指定に加え、髪の結び方など校則以外の「心得」も指導している。

 進路指導主事の教諭は「校則は社会が求める人材として成長するための指針であり基準」と説明。生徒会長(3年)はその意義を理解した上で「多様性や独自性の価値が高まる時代だけに、同一基準では収まらないケースがあるはず。柔軟なルール作りがあってもいいと思う」と複雑な胸中を明かす。

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