東日本大震災の犠牲者らに遺族が語り掛ける場として定着している、大槌町吉里々々(きりきり)の風の電話をモチーフにした映画「風の電話」の撮影が2日まで、同町で行われた。広島県や関東、東北で行った撮影は同日で終了。災害などで大切な人を失った人々の悲しみに寄り添い、希望を見いだせる作品に仕上げようと、出演者やスタッフが神経を研ぎ澄ませた。

 同日は主人公の少女・ハルが風の電話を訪れるクライマックスを約7時間かけて撮影した。緊張感が漂う現場で、ハル役のファッションモデル・女優のモトーラ世理奈さんが演技。監督の諏訪敦彦(のぶひろ)さんと話し込みながら、せりふや動きを確認した。

 映画は幼い頃に家族を津波で失い、心を閉ざす同町出身のハルが預けられた広島県の伯母宅から古里を目指して旅を始め、風の電話にたどり着くまでを描く。

 ブロードメディア・スタジオ(東京都)配給。2020年春公開を予定する。