明治時代に生まれた大船渡市盛町の鴨野チヨノさん(107)は、五つ目の元号「令和」を迎えた。出稼ぎで上京した大正、戦禍を被った昭和、東日本大震災が起きた平成を駆け抜けた激動の107年。令和に願うのは穏やかで平和な時代で、未来を生きる若者たちに「頑張ってけらっせん(ください)」とエールを送る。

 鴨野さんは1911(明治44)年生まれで同市盛町出身。10代だった大正時代に東京へ出稼ぎし、ビール工場で働いた。昭和に入り、20代で夫の故静三さんと結婚。長男の故静男さんをもうけた。第2次世界大戦では東京で空襲に遭い、まな息子を背負って逃げた。夫は戦死。古里に帰り、農作業に励みながら一人息子と妹の子ども4人を育て上げ、孫2人、ひ孫2人にも恵まれた。

 平成最大の出来事は、2011年3月の東日本大震災。津波は施設の近くまで到達し、一時は3階に避難するなど不安な日々を送った。

 長寿の秘訣(ひけつ)は「(施設の)みんなと仲良くすること」。人々が美しく心を寄せ合うようにと願って付けられた元号、令和を体現するかのように107歳は静かに笑った。