高齢者や体の不自由な人にも使いやすいように開発された岩手発の福祉食器ブランド「てまる」が海外販売をスタートさせる。磁器に限った展開で、海外に先駆け24日から3日間、東京都内で開く展示会に出品する。開発、製作を手がける磁器作家の大沢和義さん(62)=滝沢市木賊川=は「さまざまな国の人が一番快適だと感じる食器を作っていきたい」と意気込む。

 海外展開するてまるシリーズは、磁器製のカレー皿とわん。6月以降、世界的インターネット通販サイト「フィニッシュデザインショップ」で発売する。

  海外販売は、大沢さんや県内中小企業経営者らが出資設立した「モノラボン」(工藤昌代社長、盛岡市本宮)が担う。同社は、フィンランドの世界的工業デザイナー、ハッリ・コスキネンさんとヴィッレ・コッコネンさんがデザインを提供し、大沢さんら県内職人が作った食器など生活用品でものづくりブランド「iwatemo(イワテモ)」を構築。磁器製てまると大沢さんオリジナルの飯わんはイワテモのセレクト商品。今回、イワテモ商品とともに販売される。

 大沢さんの今回のてまるシリーズは、初めて「酸化焼成」と呼ばれる技法による「黄磁」で製作。まったりとしたクリーム色が温かみを醸し出す。わんのへりの内側に施した返しも改良。器の肌をすべらせたスプーンの食べ物を一層すくいやすくした。カレー皿は軽量化し、使い勝手を向上させた。

 大沢さんは「世界販売は夢だった。使い手の生活に添う作品を作るという姿勢は変わらない。どんな土地で誰が使っても使い勝手の良い食器を開発し、作っていきたい」と製作に励む。