国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)は10月28日~11月1日、仙台市で国際学会リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)を開く。東北開催は2016年の盛岡市以来3年ぶりで、今秋は日本政府の誘致判断の環境を整える重要な時期。国内外に科学的意義を発信し、実現に向け機運を高める。

 会場は仙台市青葉区の仙台国際センター。関係者によると、世界各地の加速器関連の研究者や企業関係者約300人が集う予定。アジア、欧州、北米の持ち回りで毎年開催され、ILCを含む直線加速器の関連技術や学術分野について議論が交わされる。昨年は米アーリントンで開かれた。

 ILC計画を巡っては、文部科学省が3月、日本政府として初めて「関心がある」と言及し、国際的な意見交換を続ける意思を表明。ILC誘致を目指す高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)は今月、日米欧の研究者によるワーキンググループを設置し、9月にも文科省への報告書をまとめる。国際的な経費分担が大きな課題とされる中、政府間としては今後、日仏独での意見交換が始まる見通しだ。

 国内誘致の可否は、来年策定される日本学術会議のマスタープランや次期欧州素粒子物理戦略(20~24年)の議論を踏まえて判断される方向。今秋はこれらの作業が本格化する重要な時期となる。

 LCCと関わりの深い東北大大学院理学研究科の山本均教授は「日本政府の誘致判断に向け、追い込みの時期。国内外にILCの意義を発信する重要な機会になる」と説明する。

 21日はLCCのリン・エバンス代表と県立大の鈴木厚人学長、山本教授が仙台市内で記者会見し、国際学会の概要を説明する。