【本紙特派員・小田野純一】米大リーグ、マリナーズの菊池雄星(花巻東高)が好投を続けている。要因の一つに挙げられるのが制球力だ。プロ入り後数年は課題だった部分の解消に取り組み原因を追究。割り出した答えは「ぶれない頭」と「二つの軸をつくる」ことだった。

 「さまざまなスポーツ選手の再現性に共通する部分を慶応大の先生に調べてもらった。一つだけあったんです、それが頭がぶれないこと」。年間を通して先発ローテーションを守るために好不調の波にとらわれない制球力を求め、再現性に着目した。菊池は確かめるためにボクシングの試合を見に行った。

 世界から注目される世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王者の井上尚弥(大橋)の防衛戦。あえてリングを真上から見られる3階席から井上の動きを追うと、「まるで能のような動き。全く頭がぶれなかった。他の試合も見たけど誰が王者か一目瞭然」と驚きながら理解できた。

 投球時、前後左右に傾くことなく、体の軸上に常に頭があることを意識。左投手の場合は最初に右足を上げている間は左足の軸上に頭を乗せ、右足を踏み込んだ瞬間から右足に軸を移して、頭もそのまま平行移動させる。

 さらに「上半身にも軸は必要。僕の場合は背中に軸を意識している」と下半身、上半身それぞれに軸を意識した結果、飛躍的に制球力が増した。17、18年の快投がまさにその現れだ。